ドラゴンナイト4(PC98)
”感動必至”
エルフの看板タイトルシリーズ、「ドラゴンナイト」の第4作。
それが1994年2月25日にPC98版が発売された「ドラゴンナイトIV」であります。
前作までは主人公ヤマトタケルとヒロイン、ルナをはじめとする仲間たちとの冒険をRPGのスタイルで描いていましたが。
今作ではその二人の子供であるカケルを主人公に、ゲームジャンルも戦闘シミュレーション形式に変更と大きく様変わりしました。
そしてここで、今回のレビューはいつものスタイルを変えまず筆者の評価を述べたく存じます。
筆者の評価は、ランクS。
以前レビューをUPした「同級生」と並び、筆者にとってたった2本だけのSランクタイトルです。
ゲームとしての完成度うんぬんを越えたところで、筆者たる私にとっての魂の一作です。
勇者ヤマト・タケルによって平和がもたらされた世界。
しかしその地上を狙う新たな敵が現れる。そしてそれに対し、タケルの息子、カケルが旅立つ。
人間を石に変えてしまうほどの強力な魔力をもつ敵、ルシフォンにカケルは仲間となるエト、ナターシャ、マルレーネらと共に立ち向かう。
その戦いの行く末に待つものとは……
エルフの看板タイトルシリーズ、「ドラゴンナイト」の第4作。
それが1994年2月25日にPC98版が発売された「ドラゴンナイトIV」であります。
前作までは主人公ヤマトタケルとヒロイン、ルナをはじめとする仲間たちとの冒険をRPGのスタイルで描いていましたが。
今作ではその二人の子供であるカケルを主人公に、ゲームジャンルも戦闘シミュレーション形式に変更と大きく様変わりしました。
そしてここで、今回のレビューはいつものスタイルを変えまず筆者の評価を述べたく存じます。
筆者の評価は、ランクS。
以前レビューをUPした「同級生」と並び、筆者にとってたった2本だけのSランクタイトルです。
ゲームとしての完成度うんぬんを越えたところで、筆者たる私にとっての魂の一作です。
勇者ヤマト・タケルによって平和がもたらされた世界。
しかしその地上を狙う新たな敵が現れる。そしてそれに対し、タケルの息子、カケルが旅立つ。
人間を石に変えてしまうほどの強力な魔力をもつ敵、ルシフォンにカケルは仲間となるエト、ナターシャ、マルレーネらと共に立ち向かう。
その戦いの行く末に待つものとは……
このような導入ではじまる物語において、最初は冒険に憧れ、旅立つことにワクワクしている少年が主人公ということで暗い状況ながらも明るい雰囲気で進行していくのですが、とあるイベントにより、急展開していくことになります。
この作品の肝となるあのイベントでは本当に鳥肌が立ってしまいました。
そして続く戦いの中、苦戦につぐ苦戦を越え宿敵たるルシフォンを打ち破り、そして彼の最後の決断……
もう、このシナリオは本当に凄かったとしか申せません。
シナリオ担当は蛭田昌人さんで、彼のシナリオライターとしての実力をまざまざと見せ付けてくれました。
筆者は涙もろい人間なので感動シーンではしばしばやられてしまうのですが、一つの作品で2度も号泣したのはこのDK4だけです。
2人が結ばれるシーンでまで泣かされてしまうとは……そんな自分がいるとは思いもしなかったです。
筆者にとって全てのメディアの中でも最高の物語となりました。
キャラクター描写も真にもって見事というしかなく。
筆者にとって「英雄」とはこの物語の主人公である、というぐらい感情移入してしまいました。
若い彼が背負うにはあまりに重い運命……もし自分が同じ立場になったとしても同じように振舞うことは決して出来ないでしょう。
またこの物語のヒロインとのやりとりの一つ一つが心に迫ってくるものでした。
揺れ動く感情、共に闘っていく内に育まれる愛情……特に物語後半のテキストは神懸かっているかのようなハイレベルなもので今作が蛭田シナリオの集大成と呼ばれるにふさわしい。
ただ残念なのですが、操作性及び戦闘システムには合格点を付けられるレベルではありません、PC98版は。
シリーズの1~3まではRPGだったのを今作でSLGという形式にしたのはあの大イベントの存在ゆえと蛭田さんはインタビューで答えてまして、それに関しては納得もしていますがゲームバランスが取れているとは到底言えず……あそこまで使える部隊と使えない部隊がはっきりしていて、主人公すら戦力として使える方ではないのでは、ちょっと。
それなりには遊べましたがあのシナリオのレベルには全く釣り合っておりませんでした。
他のソフトだったら相当減点材料となっていましたし、この部分への批判を受けるのはやむを得ないと筆者も思います。
キャラデザと原画は「同級生」で蛭田さんとタッグを組んだ竹井正樹さんが担当されていました。
本来描く人がダメになってピンチヒッターでということだったみたいですが、時間のない中で素晴らしい仕事をしてくれたのではないでしょうか。
マルレーネの横顔のシーンなどは惚れ惚れとしてしまうぐらい美しいものでした。
ということで。
正直、このタイトルをネタばれなしに語るのは本当に難しいです。
しかし知ってしまった上でプレイするのとそうでないのとでは大違いですので……悩ましいところでした。
2007年6月29日にはリメイクとなるWINDOWS版が発売となっておりまして。
出来れば多くの人にこの作品、この物語が届くことを。
そして筆者のこのインプレッションがほんの少しでもプレイのきっかけになってくれたら、と心から願っております。
この作品の肝となるあのイベントでは本当に鳥肌が立ってしまいました。
そして続く戦いの中、苦戦につぐ苦戦を越え宿敵たるルシフォンを打ち破り、そして彼の最後の決断……
もう、このシナリオは本当に凄かったとしか申せません。
シナリオ担当は蛭田昌人さんで、彼のシナリオライターとしての実力をまざまざと見せ付けてくれました。
筆者は涙もろい人間なので感動シーンではしばしばやられてしまうのですが、一つの作品で2度も号泣したのはこのDK4だけです。
2人が結ばれるシーンでまで泣かされてしまうとは……そんな自分がいるとは思いもしなかったです。
筆者にとって全てのメディアの中でも最高の物語となりました。
キャラクター描写も真にもって見事というしかなく。
筆者にとって「英雄」とはこの物語の主人公である、というぐらい感情移入してしまいました。
若い彼が背負うにはあまりに重い運命……もし自分が同じ立場になったとしても同じように振舞うことは決して出来ないでしょう。
またこの物語のヒロインとのやりとりの一つ一つが心に迫ってくるものでした。
揺れ動く感情、共に闘っていく内に育まれる愛情……特に物語後半のテキストは神懸かっているかのようなハイレベルなもので今作が蛭田シナリオの集大成と呼ばれるにふさわしい。
ただ残念なのですが、操作性及び戦闘システムには合格点を付けられるレベルではありません、PC98版は。
シリーズの1~3まではRPGだったのを今作でSLGという形式にしたのはあの大イベントの存在ゆえと蛭田さんはインタビューで答えてまして、それに関しては納得もしていますがゲームバランスが取れているとは到底言えず……あそこまで使える部隊と使えない部隊がはっきりしていて、主人公すら戦力として使える方ではないのでは、ちょっと。
それなりには遊べましたがあのシナリオのレベルには全く釣り合っておりませんでした。
他のソフトだったら相当減点材料となっていましたし、この部分への批判を受けるのはやむを得ないと筆者も思います。
キャラデザと原画は「同級生」で蛭田さんとタッグを組んだ竹井正樹さんが担当されていました。
本来描く人がダメになってピンチヒッターでということだったみたいですが、時間のない中で素晴らしい仕事をしてくれたのではないでしょうか。
マルレーネの横顔のシーンなどは惚れ惚れとしてしまうぐらい美しいものでした。
ということで。
正直、このタイトルをネタばれなしに語るのは本当に難しいです。
しかし知ってしまった上でプレイするのとそうでないのとでは大違いですので……悩ましいところでした。
2007年6月29日にはリメイクとなるWINDOWS版が発売となっておりまして。
出来れば多くの人にこの作品、この物語が届くことを。
そして筆者のこのインプレッションがほんの少しでもプレイのきっかけになってくれたら、と心から願っております。
コメント
私は例によってTOWNSでのプレイでしたが、確かエルフのゲームは98でもTOWNSでも変わらなかったような。データもCD-ROMに入れるほど大容量では無かったし。
戦闘がやってられなくて、データファイルを探して全員の移動力を+10h(つまり+16)したりして(攻撃力も上げたかも?)遊んでいたのを覚えてます。シナリオは細かいところは忘れてしまいましたが、エトが消えるシーンだったかでマルレーネに何と言葉をかけるべきか悩んだような・・・。
リメイクは、エトの声が棒読みとか戦闘が運任せとかあまり良い評判を見ないので買ってません。
戦闘がやってられなくて、データファイルを探して全員の移動力を+10h(つまり+16)したりして(攻撃力も上げたかも?)遊んでいたのを覚えてます。シナリオは細かいところは忘れてしまいましたが、エトが
リメイクは、エトの声が棒読みとか戦闘が運任せとかあまり良い評判を見ないので買ってません。
最高のシナリオ……
>カール大公さん
いやあ、発売当時はけちょんけちょんにけなされた戦闘と絶賛されたシナリオの両極端な評価だった作品でしたよねえ。出来るのならばあの頃の某部屋のログを読み返したいものです。
でもカール大公さんにも結構な印象を残していた作品だったんですね、戦闘をけなしておいでだった印象が結構強くて。
まあでも私にとっては至高のシナリオであったので、戦闘モードの不出来さは全て吹き飛ばしてくれました。
あのENDは一生忘れないだろうなあ……
いやあ、発売当時はけちょんけちょんにけなされた戦闘と絶賛されたシナリオの両極端な評価だった作品でしたよねえ。出来るのならばあの頃の某部屋のログを読み返したいものです。
でもカール大公さんにも結構な印象を残していた作品だったんですね、戦闘をけなしておいでだった印象が結構強くて。
まあでも私にとっては至高のシナリオであったので、戦闘モードの不出来さは全て吹き飛ばしてくれました。
あのENDは一生忘れないだろうなあ……
システムB級、シナリオS級
「ドラゴンナイト4」はクリアして十余年経つにもかかわらず、未だにラストシーンが思い出せるという恐るべき作品です。エルフ作品がひるた氏の名前と共に超一流ブランドとして君臨していた頃の、まさに代表作の一つですね。
飛龍さんとはゲームの好みで色々と食い違うところも多いのですが、この作品の評価に関しては全く同感という他は有りません。シナリオの見事さと、それを帳消しにするような「こんなかったるい事、やっていられるか」的な悪夢のごときゲームシステム。システムの出来不出来という以前に、あのシミュレーションというゲームジャンルの選択そのものがシナリオとマッチしていないと思わせました(あのどんでん返しのあとはさらに強く)。
しかし、まあ、当時のエルフは、そんな疲れる作品ですら、大多数のゲーマーに「今年のデフォルトゲーム、問答無用でプレイせねば」と思わせる力が有ったのですね。古きよき時代でした。
という時代背景もあわせて、色々な意味で思い出深い作品では有りますね。
飛龍さんとはゲームの好みで色々と食い違うところも多いのですが、この作品の評価に関しては全く同感という他は有りません。シナリオの見事さと、それを帳消しにするような「こんなかったるい事、やっていられるか」的な悪夢のごときゲームシステム。システムの出来不出来という以前に、あのシミュレーションというゲームジャンルの選択そのものがシナリオとマッチしていないと思わせました(あのどんでん返しのあとはさらに強く)。
しかし、まあ、当時のエルフは、そんな疲れる作品ですら、大多数のゲーマーに「今年のデフォルトゲーム、問答無用でプレイせねば」と思わせる力が有ったのですね。古きよき時代でした。
という時代背景もあわせて、色々な意味で思い出深い作品では有りますね。
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確かにエルフは98とタウンズとでは変更部分を作らないメーカーでしたよね。
個人的にはタウンズを羨ましく思わないで済んだことを喜んでいたような(笑)
リメイク版は私はPCスペックが全く追いついていないので……新たなPCなんていつになるやら。