俺たちに翼はない
![]() | 俺たちに翼はない -Limited Edition- (2009/01/30) Windows 商品詳細を見る |
”それはきっと何処にでもある、ありふれた物語。 ”
「それは舞い散る桜のように」を送り出した王雀孫×西又葵コンビによる、完全新作な恋愛AVG。
それがNavelから2009年1月30日にWIN版が発売された「俺たちに翼はない」でありました。
久しぶりの王雀孫さんの完全新作ってことで「それは舞い散る桜のように」のテキストに魅了された身としては、延期の繰り返しで随分と焦らされたものの当然発売日にゲットしまして。
正直プレリュードディスク商法、しかも高価格というのには眉をひそめる思いがありそちらには付き合いませんでしたが、本編たるこちらには特典の豪華さにも目を奪われまして(こんなに付けて採算取れるのでしょうか)期待度大の状態で始めたのでした。
柳木原市という大都市で繰り広げられる冬の物語。
3人の主人公による、それぞれの日常と出会いと恋模様が描かれていく。
そしてそれらを経て最後に待ち構える、真実とは……
というのが大まかなあらすじになりまして。
ネタばれなしで説明するのが極めて難しい構成になっておりました。
で、前述の通り期待度大の状態で始めたわけですが……最初の1時間をプレイした時点ではかなりガッカリさせられました。
一番最初の主人公のシナリオがもう、痛すぎる妄想炸裂であまりに痛々しすぎて先を見ようという気にならず……最終的には彼が道化であるということを示す描写が作品全体の中で必要なわけですが、それにしてもこんな内容のを最初に持ってくるのは冒険し過ぎでしょう。ここでプレイヤーが挫けてプレイ続行をあきらめるリスクが高すぎです。
また途中の主人公イジメな描写やモブ女生徒たちの赤裸々過ぎる言動にもヒくものがありましたし。
このルートのみヒロイン二人攻略可なのですが、その内の一人がまた相当に個性強かったのも賛否分かれるでしょうね。
ですが次の主人公になってからは王雀孫テキストが冴えてきて徐々に笑えてきて、3章ではヒロインが霞むほどのサブキャラたちのアクの強さと愉快さにクスリとさせられ、そして全てが明らかになる最終章の途中からはもう、笑いが止らないやり取りの連続でやっと王雀孫作品をプレイ出来た満足感が得られました。
「駄姫」だの「ビーッチ」だの、学園のプリンセスをさんざん罵り向こうからも罵り返されで、まるで「それ散る」の主人公とメインヒロインかのような攻防が繰り広げられるのがもう愉快の一言で、これこそを求めていたのだと腹を抱えながら思いましたね。
ただまあそこにたどり着くまでが長すぎでした。王さんがこの構成にしたくてそうなったのでしょうが、正直変化球過ぎる印象が強かったです。
プレイヤーの心をすぐつかめるであろう愉快テキストを犠牲にしてまで、1章のあの内容を見せる必要性はなかったはず。
他には「それ散る」のような、後半に息切れして描くべきことを描かないままEND、ということはなかったです。
ラストの盛り上げという点ではやや弱いですが、主人公の抱えるドデカイ問題への回答としてはあれもありではないかと。
ああ、ベッドシーンは色々と言いたいことが。あの展開しかないのでは小鳩は可哀想ですよ……他のヒロインももっとベタでいいのに捻りすぎな展開が多かったように感じました。
インターフェース面もシーンスキップ機能搭載で別ルートのプレイが格段にラクになっていてグッドでした。ただ戯画作品のように、ベッドシーン以外のシーン回想も付いていたらもっと良かったですね、日常パートの楽しさがキモの作品なわけですし。
西又さん手掛けるグラフィックは、批判されることも多いようですが個人的には今作でもとても魅力的に感じました。プリンセスキャラのくだけた表情を描くのは抜群ですよね。
声優陣もやたら豪華でした、特に男性陣。主人公達を筆頭に表裏の幅が大きいキャラが多かったですが、巧みに演じわけていたように感じました。
ということで。
全体を通してみると正直期待にフルに応えてくれたとは言えないですけども、最終章で大いに笑わせてくれましたし、あのノリをまた楽しめるのならファンディスクやスピンオフが出たら付き合ってしまうぐらいには思い入れは生まれた、ってところでしょうか。報われないサブヒロインにスポット当てたFDは需要高そうですし。
筆者の評価はランクB-です、ドラマCDやコミックといったマルチメディア展開も発売時点でされてますが、アニメ化はするとしたら主人公達の描き方が相当難しいでしょうね。
ネタばれなしで説明するのが極めて難しい構成になっておりました。
で、前述の通り期待度大の状態で始めたわけですが……最初の1時間をプレイした時点ではかなりガッカリさせられました。
一番最初の主人公のシナリオがもう、痛すぎる妄想炸裂であまりに痛々しすぎて先を見ようという気にならず……最終的には彼が道化であるということを示す描写が作品全体の中で必要なわけですが、それにしてもこんな内容のを最初に持ってくるのは冒険し過ぎでしょう。ここでプレイヤーが挫けてプレイ続行をあきらめるリスクが高すぎです。
また途中の主人公イジメな描写やモブ女生徒たちの赤裸々過ぎる言動にもヒくものがありましたし。
このルートのみヒロイン二人攻略可なのですが、その内の一人がまた相当に個性強かったのも賛否分かれるでしょうね。
ですが次の主人公になってからは王雀孫テキストが冴えてきて徐々に笑えてきて、3章ではヒロインが霞むほどのサブキャラたちのアクの強さと愉快さにクスリとさせられ、そして全てが明らかになる最終章の途中からはもう、笑いが止らないやり取りの連続でやっと王雀孫作品をプレイ出来た満足感が得られました。
「駄姫」だの「ビーッチ」だの、学園のプリンセスをさんざん罵り向こうからも罵り返されで、まるで「それ散る」の主人公とメインヒロインかのような攻防が繰り広げられるのがもう愉快の一言で、これこそを求めていたのだと腹を抱えながら思いましたね。
ただまあそこにたどり着くまでが長すぎでした。王さんがこの構成にしたくてそうなったのでしょうが、正直変化球過ぎる印象が強かったです。
プレイヤーの心をすぐつかめるであろう愉快テキストを犠牲にしてまで、1章のあの内容を見せる必要性はなかったはず。
他には「それ散る」のような、後半に息切れして描くべきことを描かないままEND、ということはなかったです。
ラストの盛り上げという点ではやや弱いですが、主人公の抱えるドデカイ問題への回答としてはあれもありではないかと。
ああ、ベッドシーンは色々と言いたいことが。あの展開しかないのでは小鳩は可哀想ですよ……他のヒロインももっとベタでいいのに捻りすぎな展開が多かったように感じました。
インターフェース面もシーンスキップ機能搭載で別ルートのプレイが格段にラクになっていてグッドでした。ただ戯画作品のように、ベッドシーン以外のシーン回想も付いていたらもっと良かったですね、日常パートの楽しさがキモの作品なわけですし。
西又さん手掛けるグラフィックは、批判されることも多いようですが個人的には今作でもとても魅力的に感じました。プリンセスキャラのくだけた表情を描くのは抜群ですよね。
声優陣もやたら豪華でした、特に男性陣。主人公達を筆頭に表裏の幅が大きいキャラが多かったですが、巧みに演じわけていたように感じました。
ということで。
全体を通してみると正直期待にフルに応えてくれたとは言えないですけども、最終章で大いに笑わせてくれましたし、あのノリをまた楽しめるのならファンディスクやスピンオフが出たら付き合ってしまうぐらいには思い入れは生まれた、ってところでしょうか。報われないサブヒロインにスポット当てたFDは需要高そうですし。
筆者の評価はランクB-です、ドラマCDやコミックといったマルチメディア展開も発売時点でされてますが、アニメ化はするとしたら主人公達の描き方が相当難しいでしょうね。
タグ : 俺たちに翼はない 王雀孫 それは舞い散る桜のように それ散る
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