DESIRE~背徳の螺旋~(PC98版)
”人はどこから来てどこへ行くの……。”
1994年7月22日、シーズウェアというメーカーから発売されたAVG。
それが「DESIRE~背徳の螺旋~」でありました。
シーズウェア、そして剣乃ゆきひろ(現:菅野ひろゆき)という名が一躍PCゲーム業界に知れ渡った、文字通り出世作となった作品なのですが。
なお、以降の記述はあくまでPC98版を元に作成しております、サターン版はプレイしておりますがWINDOWS版とPS2版は未プレイですので食い違う部分があるやも知れません、ご了承ください。
南海の孤島に建設された研究所、その名は“DESIRE(デザイア)”。
徹底した秘密主義で名の知れた研究所になぜか取材許可が出て訪れることになる主人公の新聞記者、アル。
実はその施設に恋人、マコトが勤めており、久しぶりの再会も楽しみにその島に降り立つのだが。
彼の到着を機に、さまざまな異常事態が起こることとなる……
1994年7月22日、シーズウェアというメーカーから発売されたAVG。
それが「DESIRE~背徳の螺旋~」でありました。
シーズウェア、そして剣乃ゆきひろ(現:菅野ひろゆき)という名が一躍PCゲーム業界に知れ渡った、文字通り出世作となった作品なのですが。
なお、以降の記述はあくまでPC98版を元に作成しております、サターン版はプレイしておりますがWINDOWS版とPS2版は未プレイですので食い違う部分があるやも知れません、ご了承ください。
南海の孤島に建設された研究所、その名は“DESIRE(デザイア)”。
徹底した秘密主義で名の知れた研究所になぜか取材許可が出て訪れることになる主人公の新聞記者、アル。
実はその施設に恋人、マコトが勤めており、久しぶりの再会も楽しみにその島に降り立つのだが。
彼の到着を機に、さまざまな異常事態が起こることとなる……
というのがあらすじになります。
この作品は筆者は発売前の時点ではノーチェックだったのですが、当時のパソコン通信でよく利用していたコミュニティーで絶賛されていたことに興味を持ち、購入に走ったのでありました。
システムとして”マルチサイトシステム”というのを売り文句にしていまして。
主人公が二人、アルとマコトがそれぞれの章の主役となり、その研究所及びその周囲での異変をそれぞれの立場で描かれていきます。まあザッピングシステムというのが判りやすいのでしょうか。
この作品においてはシンプルに二つの章を見せていく形ですね、お互いの選択が影響し合う、というのは後の作品でということになります。
そして男主人公、アルの章のシナリオの出来が素晴らしく、すぐに引き込まれていきました。
記憶をなくした少女、ティーナと出会い、マコトとはすれ違い続きながらも取材を続けていく内に起こっていく怪事件、ティーナを守りながらもその全貌に迫っていく過程が、実に実にスリリングであり胸が躍るような心持ちでありまして。
登場してくるキャラ達も実に魅力的に描かれ、筆者は特に冷たくキツい物言いの令嬢とのエピソードが印象深く感じるものがあり。
そうして章の終盤で物語は更に大きく動き出し、主人公は最後の異常事態に巻き込まれます。
そこで示された、最後の決断……
と言うところで大きな謎を残し彼の章は終了します。
ここまでだけでももう名作AVGと呼んでも差し支えないほどの充実した内容であり、満足感は相当なものでしたが。
で、喜び勇んで始めたもう一つのマコトの章は……
アンバランスなほどのベッドシーンの連続であり、しかもアブノーマルなシーンも多々ありで……こちらの章では正直、気持ちがかなり醒めてしまいましたね。
ストーリーとしては必要な要素も多く、またヒロインをアル編との対比としてあのように描きたかったのでしょうけれども……
その二つの章を終えると最後の扉が開きます。
そこで語られるこの物語の真実……マコト編で醒めた気持ちがまた一気に昂ぶるほどに劇的で、また心を強く打つものでありました。
ラストの手紙から始まる一連のイベントの最後で、筆者は涙が止まりませんでした……
最後の最後で何と言う物語を見せてくれるのでしょうか……
またこの作品を彩る、やさまたしやみさん描くグラフィックも(ティーナのあの可愛さはやさま版しかあり得ません)、梅本竜さん奏でる数々のBGMも実にレベルが高く、見事な仕事振りでありました。
ということで。
剣乃ゆきひろというクリエイターの名を深く心に刻むことになったわけですが。
この作品に関して、とある方がこうおっしゃいました。
”この美しい物語は、美しいままに閉じていったのだ”
と。
筆者にもそれ以上付け足す言葉はありません。
そう、追加エンディングなど不要なのです……付けてしまった(サターン版以外の)移植版もあるようですが、あくまでこれはPC98版のゲームレビューなのです。
筆者の評価はランクAです、ネックとなったマコト編の構成がもっとうまくいったならあるいはSランクだったかも知れない、そんな特大のインパクトを残してくれた作品でした。
この作品は筆者は発売前の時点ではノーチェックだったのですが、当時のパソコン通信でよく利用していたコミュニティーで絶賛されていたことに興味を持ち、購入に走ったのでありました。
システムとして”マルチサイトシステム”というのを売り文句にしていまして。
主人公が二人、アルとマコトがそれぞれの章の主役となり、その研究所及びその周囲での異変をそれぞれの立場で描かれていきます。まあザッピングシステムというのが判りやすいのでしょうか。
この作品においてはシンプルに二つの章を見せていく形ですね、お互いの選択が影響し合う、というのは後の作品でということになります。
そして男主人公、アルの章のシナリオの出来が素晴らしく、すぐに引き込まれていきました。
記憶をなくした少女、ティーナと出会い、マコトとはすれ違い続きながらも取材を続けていく内に起こっていく怪事件、ティーナを守りながらもその全貌に迫っていく過程が、実に実にスリリングであり胸が躍るような心持ちでありまして。
登場してくるキャラ達も実に魅力的に描かれ、筆者は特に冷たくキツい物言いの令嬢とのエピソードが印象深く感じるものがあり。
そうして章の終盤で物語は更に大きく動き出し、主人公は最後の異常事態に巻き込まれます。
そこで示された、最後の決断……
と言うところで大きな謎を残し彼の章は終了します。
ここまでだけでももう名作AVGと呼んでも差し支えないほどの充実した内容であり、満足感は相当なものでしたが。
で、喜び勇んで始めたもう一つのマコトの章は……
アンバランスなほどのベッドシーンの連続であり、しかもアブノーマルなシーンも多々ありで……こちらの章では正直、気持ちがかなり醒めてしまいましたね。
ストーリーとしては必要な要素も多く、またヒロインをアル編との対比としてあのように描きたかったのでしょうけれども……
その二つの章を終えると最後の扉が開きます。
そこで語られるこの物語の真実……マコト編で醒めた気持ちがまた一気に昂ぶるほどに劇的で、また心を強く打つものでありました。
ラストの手紙から始まる一連のイベントの最後で、筆者は涙が止まりませんでした……
最後の最後で何と言う物語を見せてくれるのでしょうか……
またこの作品を彩る、やさまたしやみさん描くグラフィックも(ティーナのあの可愛さはやさま版しかあり得ません)、梅本竜さん奏でる数々のBGMも実にレベルが高く、見事な仕事振りでありました。
ということで。
剣乃ゆきひろというクリエイターの名を深く心に刻むことになったわけですが。
この作品に関して、とある方がこうおっしゃいました。
”この美しい物語は、美しいままに閉じていったのだ”
と。
筆者にもそれ以上付け足す言葉はありません。
そう、追加エンディングなど不要なのです……付けてしまった(サターン版以外の)移植版もあるようですが、あくまでこれはPC98版のゲームレビューなのです。
筆者の評価はランクAです、ネックとなったマコト編の構成がもっとうまくいったならあるいはSランクだったかも知れない、そんな特大のインパクトを残してくれた作品でした。
コメント
PC98版は未体験ですが
発売当時FM-TOWNS版をプレイし、最近Windows完全版をクリアしました。
TOWNS版では「主人公が喋らない」ために少々不満に思うところがあったのですが、完全版ではアル編のアル、マコト編のマコトも一部音声ありで、マルチナ編のマルチナにいたってはほぼ全編喋ってくれました。当然ラストの手紙も読み上げてくれます。追加のオチは、あれはあれで良かったんじゃないかと思います。私はハッピーエンドが好きなので。
追加
Windows完全版は私はDLsite.comでダウンロード購入しました。たぶん他のゲームダウンロード販売サイトでも購入できると思います。パッケージ版を探すより簡単ですし値段も安くつくかもしれません。
TOWNS版では「主人公が喋らない」ために少々不満に思うところがあったのですが、完全版ではアル編のアル、マコト編のマコトも一部音声ありで、マルチナ編のマルチナにいたってはほぼ全編喋ってくれました。当然ラストの手紙も読み上げてくれます。追加のオチは、あれはあれで良かったんじゃないかと思います。私はハッピーエンドが好きなので。
追加
Windows完全版は私はDLsite.comでダウンロード購入しました。たぶん他のゲームダウンロード販売サイトでも購入できると思います。パッケージ版を探すより簡単ですし値段も安くつくかもしれません。
>カール大公さん
いやあ、やっぱりあのラストの衝撃はお互い、忘れられませんよねえ。
98版は私も所持してますよ、このインプレ書くのに説明書を見返したりも。
PCソフトに関してはカール大公さんとはちょっと評価がズレがちですが、このタイトルが永遠の名作であることには異存はもちろんないです。
追加エピソードに関してはネットで調べれば出てくるのでしょうけど……私はどしても拒絶反応が。
PS2版なら手軽に入手出来そうではありますけどね。
声優陣も素晴らしい仕事してることはサターン版で確認済でもありますけども。
いやあ、やっぱりあのラストの衝撃はお互い、忘れられませんよねえ。
98版は私も所持してますよ、このインプレ書くのに説明書を見返したりも。
PCソフトに関してはカール大公さんとはちょっと評価がズレがちですが、このタイトルが永遠の名作であることには異存はもちろんないです。
追加エピソードに関してはネットで調べれば出てくるのでしょうけど……私はどしても拒絶反応が。
PS2版なら手軽に入手出来そうではありますけどね。
声優陣も素晴らしい仕事してることはサターン版で確認済でもありますけども。
DESIRE、永遠の名作
このゲームについて語らせたらちょっとばかりうるさい私です。
点数に関しては・・・、まあ、今回は飛龍さんの評価はもっともだと思います。しかし、私としては、マコト編があの内容(!)でもなお、ラストシナリオのクオリティを評価して、「S級」もしくは最高ランクに位置付けております。それゆえに、今はもうプレイできないのに、未だにPC-98版を所持しつづけていたりします。
私が、安易に泣かせゲーとか感動とかいう言葉を使いたくないのは、この作品の衝撃が未だに抜けないからでしょうね。今でも「DESIRE」と聞けば、頭の中にあのラストシーンが物悲しいメロディと共に蘇ります。私がストーリー物をプレイするのは、未だにあのクラスの衝撃や満足感を求めてさすらいつづけているからかもしれません。
追加のオチ・・・、怖いけどちょっと内容が知りたくは有ります。でもそれこそ「蛇足」というモノなのでしょうね。PC版との比較をを知りたいですね。
点数に関しては・・・、まあ、今回は飛龍さんの評価はもっともだと思います。しかし、私としては、マコト編があの内容(!)でもなお、ラストシナリオのクオリティを評価して、「S級」もしくは最高ランクに位置付けております。それゆえに、今はもうプレイできないのに、未だにPC-98版を所持しつづけていたりします。
私が、安易に泣かせゲーとか感動とかいう言葉を使いたくないのは、この作品の衝撃が未だに抜けないからでしょうね。今でも「DESIRE」と聞けば、頭の中にあのラストシーンが物悲しいメロディと共に蘇ります。私がストーリー物をプレイするのは、未だにあのクラスの衝撃や満足感を求めてさすらいつづけているからかもしれません。
追加のオチ・・・、怖いけどちょっと内容が知りたくは有ります。でもそれこそ「蛇足」というモノなのでしょうね。PC版との比較をを知りたいですね。
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(こちらでは)はじめまして、ようこそ~
とウソくさい挨拶は置いておきまして(笑) タウンズ版が最初の声入りDESIREでしたね、ティーナの声はハマっていたという評判をかすかに覚えております。
最後の章がほぼフルボイス、というのはサターン版が最初でしたが、確かに技量優れた声優さんによる熱演があるとより心に響くものもありますね。
ただ私は追加ENDは拒否反応があるので……あのキャラの笑顔をもう一度見たい、という心情は十分に理解できますし私にも大いにありますが、サブタイトルでああ謳っている以上は98版の終わり方を是とするしかないです、だからこそああまで心にズドンときたわけですしね。