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NIKE(PC98版)

「爆走寸前ハイパー美少女アドベンチャー」と銘打って送り出された、SF・AVG。
 それがカクテルソフトから1991年7月12日にPC98版が発売された「NIKE」(ナイキ)でありました。

 1991年はPCアダルトゲーム業界でも屈指の大豊作となった一年であり、今作もその一翼を担う良作であったわけですが。
 筆者にとってはそれ以上の存在であり、しかし当時はそうとも知らず、しかとみよさんが手掛けたパッケージイラストの美麗さに惹かれて手にとってみたのでした。

 A.D.2562年。
 超光速宇宙船による星間レースの前回優勝者である主人公、ナイキは相棒の少女と共に連覇をすべく今回もエントリーする。
 だがこの大会のゲストに呼ばれた銀河帝国皇女アテナが誘拐される……その行方を追うことを決めたナイキ、彼にとってアテナは忘れられない存在だったのだ……
 というプロローグからはじまる、銀河を又にかけたレースを描きつつ、ナイキとヒロインとの恋模様も繰り広げられることになり。
 誘拐されたお姫様を救出すべく奮闘する主人公、という設定はありがちですが、筆者の嗜好にはストライクなもので結構期待してプレイを始めたことを今でも覚えています。
 
 そしてその期待に、ただ応えてくれたなんてものじゃない、大きなリターンでもって筆者を存分に魅了してくれました。
 最初はプレイした人の多くが引っ掛かりを覚えるであろう、残念な要素である主人公とパートナーのネーミングに筆者も脱力させられたのですが……スポーツグッズで名の知れたナイキという名前を主人公に持ってきて、そのパートナーに美歩鈴という、当時人気絶大だったアイドルの愛称に無理矢理漢字の当て字を持ってきていたのが相当にガッカリ感が漂ってました。
 お陰で美歩鈴のせいではないのですがどうも敬遠する心境になってしまって……もっとそれらしい名前を付けてあげて欲しかったのが正直なところでしたね。

 しかしプレイしていく内に、だんだんとこの物語に惹きつけられていきました。
 オープニングでのアテナの清楚さと可愛らしさに自分の「清楚なお姫様・お嬢様」属性を強烈に刺激されまして、必ず救い出すと決意し話を進めていくとパートナーの美歩鈴も一見強気ながらもいじらしさを感じさせる言動や行動に見るべきものがあり、主人公のナイキもナンパで軽いけどここぞ、の場面では誰にも負けない存在感をみせる、となっていて、サブヒロインたちも物語的に重要なキャラであるミーユをはじめどの娘も愛らしく、中盤からは夢中になってプレイさせられました。没入感がホントに凄かったです……

 そして後半の山場で二転三転する展開にモニターから目を離せなくなり、ようやくのアテナ登場から更に加速していきついに迎えるエンディング……いや、ラストシーンに万感こみ上げてくるものがあったのを今でも鮮明に思い出せます。
「ええ~、そうなっちゃったのか……」な声もよく聞きましたが筆者にとってはこれ以上ない素晴らしいラストであり、長いことゲームをプレイしてきましたが今でも5本の指に入るほどで。
 シナリオを担当された斉藤ケン坊さんの作品をこれ以降追いかけることにしたほどでした、序盤から最後まで、グイグイ引っ張ってプレイヤーを飽きさせない構成は実に見事なものがありました。

 また、しかとみよさんによる美麗な原画およびグラフィックは当時としては最高レベルだったように思います、アテナも美歩鈴もミーユもみんな可愛かった。男キャラはかなりぞんざいでしたが、まあ当時はそれが普通みたいなものでしたし。
 今作で名前がクレジットされなかったことが決定打となって斉藤さんたちと独立した、と当時話題になったことを覚えていますが、それも納得させられるほど今作において大きな仕事をしてくれていましたね。

 ということで。
 もうプレイ環境を整えるのは極めて難しくダウンロードでの発売もほぼないのが本当に残念でならないぐらい、思い入れの深い作品です。
 筆者の評価はランクA+です……生涯忘れることのない、想い出がいっぱいの、出会えたことに感謝したいタイトルでした。

テーマ : 美少女ゲーム - ジャンル : ゲーム

タグ : NIKE

コメント

RE:カクテルソフト一瞬の黄金時代

>カール大公さん

 91年は他に「闘神都市」「ミラージュ」「CAL」らがありました…アリス、エルフ、F&Cが揃い踏みでしたな。
 システムは確かに今作独自のを搭載したばかりに重さが難点として指摘されてましたっけか。まあ好きになってしまうとそれらも吹っ飛んでしまうってもので(笑)

「RED」も同一スタッフですよ、しかとみよさん独立うんぬんは確証はあるわけではないですが、まあそう噂されていたことは覚えていましたわ。

[NIKE」の大まかなイベントは覚えてます、何度かリプレイもしましたからなあ。
 カール大公さんも同年発売の「コズミックサイコ」のことは絶賛なさってましたからよく覚えていらっしゃるのでは? 私は必死に思い出そうとしているのですが、なかなか。レビューをアップ出来る程度には思い出したいのですけどもね。

カクテルソフト一瞬の黄金時代

◆飛龍さん

 1991年は、他は「コズミックサイコ」と「ELLE」と・・・、他にも一杯あった気がしますが、あと何が有りましたっけ? まあ、「ナイキ」と「コズミックサイコ」だけでもこの年はフェアリーテール/カクテルソフトに神の降臨した年と言えますね。


 「ナイキ」は何と言ってもまず「システムの重さ」でしょう。「世界初、フェアリーズウインドウ、フルマウス対応、キーボード不要」(と手元のパッケージに書いてある)でしたが、異様に重かった気が・・・、多分PC-98以外の機種では相当ストレスがたまったでしょうね。

 「しかとみよ」氏のちょっとまるっこい感じの顔のキャラは余り魅力的とは言えなかったのですが(しかも、男キャラのナイキはさらにねぇ・・・)、しかし、話が面白くて面白くて仕方なかったです(といっても殆ど憶えていないのですが・・・)。あと、当時珍しいマルチストーリーだったと思います。確か「ああっ、CGが埋まらない」と嘆いたような気がします。

 そして、結末が・・・、アレは・・・、普通そう来るか!と思いましたもん。色々な意味で泣きそうでした。クリア後におまけで美歩鈴がナイキの日記を読むモードも有りましたっけ。

 まあ、システム系統にいささか難は有りましたが、話としては素晴らしい物が有りました。『昔はF&C系も絵だけでは無くて、総合力で業界で光っていた』なんて嘘みたいないい時代の作品でした。


★蛇足

>斉藤さんたちと独立した、と当時話題になった

 ・・・、ハハハ、独立は知っていましたが理由は全く知りませんでした。今知る衝撃の事実。作ったブランドが「ディスカバリー」でしたっけ。「RED」は同じスタッフの作品でした? ナイキのノリを伝える作品で結末も良く憶えていますが、ナイキを超えるには至らなかった気もします(RPGの「ミラージュ」は1も2も傑作でした)。

★蛇足2

 飛龍さん、これらの作品の粗筋を全て覚えているんでしょうか? 私なんかもう途切れ途切れに断片的なシーンや総合的な印象しか記憶に無いのに・・・
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